今回は腰椎分離症について解説していきます。
分離症とは腰椎の後部にある椎弓に腰椎の伸展や回旋のストレスが繰り返し加わることで発症する疲労骨折です。
特に成長期の激しいスポーツ活動中におこる事が多くみられます。
『発生機序』
スポーツの練習量が多い環境や、体のアライメント不良により腰椎に負担が掛かりやすい状態で、繰り返し腰部への回旋・後屈のストレスが加わる事で骨折を起こします。
特に12~17歳の成長期の子供に多いといわれています。
『症状』
初期の段階ではスポーツ活動中に腰部に激しい痛みを感じます。その後、進行が進むと日常生活中の痛みや安静時の痛みを常に感じるようになります。したがって腰痛が長く続く場合(2~3ヶ月以上)注意が必要です。
『治療法』
まずは早期に発見する事が重要で、発見後、骨の癒合が終わるまで一時的にスポーツ活動を中止し患部の安静をはかります。
患部の痛みが落ち着いたら体の機能回復を行います。ただしこの期間中患部へのストレスがかかると痛みが再発する恐れがある為、
患部以外の関節(股関節・胸椎など)の可動域の獲得や筋肉の柔軟性の向上を行い腰椎に負担がかかる要因を改善します。
その後、スポーツ復帰に向けた実践的な動作確認や上肢・体幹・下肢の連動性の強化を行います。
今回は回復期において他の関節の可動域改善をはかる運動方法をご紹介します。
本来、体幹の前屈・後屈・回旋の運動には腰部の他に胸部、骨盤、股関節の動きが合わさり動作が行われます。
しかしこれら腰部以外の関節可動域が低下すると腰部に過度なストレスが加わり腰痛を引き起こします。
その為、腰部に隣接する組織の改善をすることで負担が軽減され、再発するリスクも予防できますので、腰の痛みがある方はぜひ参考にしてください。