今回はキーンベック病についての解説です。
手の関節には手根骨という八つの小さな骨がありますがその内、月状骨という骨に供給される血流が途絶されるために起こる疾患です。原因は月状骨に繰り返し微細な外力が加わり発症すると言われています。特に手をよく使う仕事をする人(例えば大工さん)などに発症するケースが多く、症状は手関節痛、運動制限(特に手首を上げ下げする運動の制限)がありその後、握力の低下など徐々に症状が悪化する場合があります。
治療に関しては初期で比較的症状が軽い場合であれば保存的療法で快復しますが症状が悪化した症例に対しては手術的療法が適応されることもあります。キーンベック病は徐々に痛みが現れ、初期には安静により症状が軽減するため放置されやすいので早期の診察が重要です。