四肢には骨と筋、筋膜などによって作られているコンパートメント(区画)があり、その内圧が何らかの原因によって上昇しその影響で血行、神経障害を起こし筋の機能不全や壊死になるものがコンパートメント症候群です。
その原因として骨折や打撲などによる筋肉内出血、ギプス、包帯による過剰な固定などに由来するものがあります。過剰な固定をするとただでさえ少ない容積の区画を抑制しさらに、損傷部位からの出血で内側から膨張し、膨張した圧力は逃げ場がなくなり、ほかの組織を圧迫し各々の障害を起こします。症状は、著しい痛みと患肢の腫脹、神経が障害されている場合はその神経支配域の知覚障害などが出現したり、腫脹や内圧上昇などによって血管が圧迫されれば脈拍が減弱することもあります。
コンパートメント症候群らしき症状が出現して、処置をしてもらわず放っておくと不可逆性の拘縮を起こし大きな障害を残すこともあります。それらしき症状が出たときには早急に処置をしてもらった方がいいでしょう。