今回は交通事故による損傷の多い、いわゆる「むちうち損傷」について解説していきます。
一言にむちうちと言っても軽度損傷から神経症状を伴うような重度の物まで幅広く存在しますが、外傷性頚部症候群の約80%が頚椎捻挫型と呼ばれる軽度の損傷が多いためそちらについてピックアップして解説します。
むちうち損傷は、交通事故などによる頚椎の過度な屈伸動作による損傷(図)で頚部周辺の筋、靭帯、神経が損傷し発生します。追突などにより上記のような急激な衝撃を受け背骨と背骨の間の関節の捻挫や周辺組織の損傷を起こし、疼痛、圧痛、運動痛、頚部周辺筋群に筋緊張が亢進され寝違いのような症状が発生します。症状の軽快具合は損傷度合いによるため人それぞれで変わってくることも特徴です。
保存療法が原則となり、受傷当初は安静とし症状に応じて頚椎カラーなどで固定することもあります。テーピングなどによる筋肉のサポートも有効です。電気光線療法などにより炎症症状を引かせ、徐々に温熱療法や手技療法、運動療法を行い損傷組織の回復を促進させ筋緊張を改善させていきます。
形容し難い辛い痛みが発生することが多いのでしっかり治療をし、早期改善を目指しましょう。
テーピングについて
どこの筋を損傷しているかによってテーピング方法は異なりますが、首・肩周辺に対する汎用性の高いテーピング方法を合わせて紹介します。
- 幅5センチのテープを痛いところを覆うくらいの長さでカットします。
- そのテープの中央に切れ込みを入れていきY字になるようにします。
- 首の付け根に置くように貼り、首を下に下げた際背骨の際に沿って一本、横に倒した際残りの一本を首から肩のラインで置くように貼ります。
- 痛みが出ている場所の上を通過するように貼ることがポイントです。