前回に引き続き野球肘について解説していきます。
前回は内側型の野球肘を解説しましたが、今回は外側型の野球肘について解説していきます。
【外側型野球肘の特徴】
外側型の野球肘で注意しなければならないものとして離断生骨軟骨炎といった疾患があります。
離断性骨軟骨炎は少年期の野球肘の中でも特に重症化しやすい障害です。肘の上腕骨小頭部分と橈骨頭部分が投球動作による圧迫力で繰り返しストレスを受ける事により発症します。
小学校高学年の子どもに多く見られますが、初期の症状が軽度の場合痛みを訴えることが少ない為発見が遅れ、中学生・高校生になる頃に重症化して発見されるケースもあります。初期に病巣が発見できた場合、投球動作の中止・安静や投球フォームの見直しなどで治る場合があります。しかし発見が遅れ重症化してしまうと手術の適応となります。
症状としては、投球動作時の痛み、肘の運動痛(曲げ伸ばしの痛み)、可動域制限(特に伸ばせなくなる)がみられ、症状が進行するとストレスを受けた関節軟骨がはがれ(遊離し)、関節内で引っかかり関節の運動をロックしてしまう事もあります。
離断性骨軟骨炎は早期発見が最も重要になってくる障害です。近年では野球肘検診を行って早期発見ができる様になってきましたが、自身の体のメンテナンス、投球数の管理など自分で意識することで予防できる事もあります。
肘・肩関節周辺の柔軟性はもちろん、体幹・股関節・下半身の柔軟性、運動の連動制もとても重要になってきます。フォームの確認や、成長過程にあった投球数・練習量を意識するようにし、肘の外側に痛みが出現した場合は早めに専門機関を受診しましょう。