今回は上腕骨外側上顆炎（テニス肘）について解説したいと思います。
テニス肘と聞いて皆さんテニスの時に怪我をするものだと思ってはいないでしょうか？実際はテニス以外の時に痛みを生じることの多い怪我で、特に女性の方に好発しやすいといわれています。
原因として、外側上顆部には前腕伸筋群という手関節を背屈（上げる）する筋肉が付着しており、その筋肉への負担や筋肉の緊張等により筋の付着部に微小断裂性の炎症や骨膜性の炎症が発生します。また、テニスのバックハンド時に正確にボールを捉えることができず、そのままボールを打つことで肘外側に衝撃を受けて筋肉に炎症が起きるともいわれています。
症状は肘から前腕にかけての疼痛、局所の圧痛、手のひらを下に向けた状態で荷物を持ち上げた際の痛み、タオルを絞る動作等で痛みがみられます。
治療は手の使用を最低限にして安静にすることです。症状が強い人などではサポーターやテーピングなどを使用し疼痛の緩和を促します。当院では家庭でも行えるストッレチ体操などを指導して早期の回復・改善を心がけています。
この怪我は手を使用する際に痛みが出現することが多く、手の使用頻度が少ない時には痛みの出現が軽度になる傾向が多くみられるため、症状を軽視してしまう方が多数いらっしゃいます。安易に痛みを我慢して経過を見ている場合、痛みで物が掴めなくなったり、また夜間寝ている時に痛みが強くなる場合もありますのでこれらのような症状が確認できましたら是非ご相談いただければと思います。