今回は滑液胞の損傷について解説したいと思います。
まず滑液胞とは、関節周囲の筋肉や腱、靭帯などの組織間にある袋状の構造をしたものをいいます。滑液胞の中には粘液様の滑液とよばれる液が存在し、所在部位によって、皮下滑液胞、筋下滑液包、筋膜下滑液胞などがあり、各部での関節運動による組織間の摩擦を少なくする役割を果たしています。
関節にかかる負担を和らげる働きを主に存在しますが、関節運動を行うことで常にストレスを受けることになり、さらに繰り返しの運動によって滑液胞の組織が損傷しやすくなってきます。特に症状は可動の広い肩関節や膝関節に多く見られ、他にもアキレス腱などに発生し日常生活動作にも支障をきたすことがあります。
あきらかな外傷がないにもかかわらず関節部付近に痛みが出現してきた場合はこのような傷病が考えられるため、ぶつけてないから、捻っていないからなどと侮らずに早めに専門医に診てもらうように心がけましょう。