今回、変形性股関節症のお話です。
変形性股関節症とは股関節に発生する変形性関節症であり、なんらかの原因で関節軟骨の破壊が起きた場合やそれに反応して骨増殖を生じた結果、股関節に変形をきたす非炎症性疾患の事を言います。また原因により二つに分類され、一つは関節軟骨細胞の機能低下や関節を支持する筋や靭帯の支持力の低下など高齢化に伴う関節の変化が起こり、ここに機械的刺激が加わり続けることによって関節の破壊や変形がみられるものを一次性関節症といいます。一方、二次性関節症は先天的・後天的の変形が原因で発症するものであり、多くは先天性股関節脱臼、臼蓋形成不全など先天性の疾患によって起こるものです。
症状としては、股関節を中心とした痛みが主体となりますが、臀部や大腿部、膝上部痛を訴えることもあります。また発病初期には目立った運動制限は見られませんが、症状が進行するにつれて股関節の曲げ伸ばしやあぐらがかけなくなるなどの運動制限が出現してきます。
治療法は病期によって治療法が異なるので専門医の診断が必要となりますが、初期段階であれば可動域訓練や筋力強化訓練などの保存療法での対応が可能になります。変形性股関節症は早期発見・早期治療が大切です。上記のような症状が見受けられる方は早めに専門医に診てもらうようにしましょう。