今回は小児の股関節痛に関するお話です。小児の股関節疾患において最も頻度が高いのが「単純性股関節炎」です。この疾患は患部の痛みが1~2週間で落ち着いてくる疾患で予後は良好ですが、同じ股関節疾患でperthes病、若年性関節リウマチ、股関節結核等との鑑別が必要となります。特に初期症状での判断が重要になりますので単なる股関節部の痛みを侮ってはいけません。
原因としては外傷、細菌感染、アレルギー等、様々な要因が考えられますが、はっきりとした原因は不明です。以下が単純性股関節炎のチェックポイントですので参考にしてみてください。
- ‐チェックポイント‐
-
- 3~10歳の男児に多く見られる。
- 片方の股関節に痛みが出る。
(今現在では両方の股関節が同時という例はありません。) - 股関節や大腿部の前面~膝関節の内側にかけて痛みを訴える。
- 跛行(異常歩行)が見られるようになる。
- 股関節を外側に軽く開き、捻った状態でその肢位を維持するようになる。
(痛みが軽減するため) - やや関節可動域の制限が見られることもあり、あぐらをかくような姿勢を特に嫌がる事が多い。
※微熱が出る事も稀にありますが、検査などをしても陽性にでる事はありません。
この疾患は安静にすることが最も重要となりますので、運動などは控え経過観察をすることが必要となります。レントゲン、エコー検査、MRIなどの検査や症状をみる事で判断出来ますので、痛みを訴えた場合速やかに医療機関を受診することをお勧めします。