意識の確認に引き続き今回は呼吸の状態の観察を解説していこうと思います。
呼吸の有無や状態の把握はその後心停止をしているか?人工呼吸が必要かどうか?など一時救命の処置において重要な判断材料になりますのでしっかり確認しましょう。
☆まずは状態をチェック!
傷病者の口や鼻に救助者の耳や頬を近づけ、目を傷病者の胸の方に向けて、呼吸の状態を確認します。胸郭が拡大しているか?呼吸時の音は正常か?呼気を確認できるか?などを見ていきましょう!
通常では、例えば全力疾走をした後には呼吸数が増加するなど状況に応じた呼吸数(換気量)が保たれています。しかし、意識があっても普段どおりの呼吸をしていない時があります。傷病がないか?気道閉塞を招く危険がないか?を疑っていきましょう。
- 胸の動きをみる。
胸や腹のあたりが上下に動いているか、息が深いか浅いか、速いか遅いかなどを確認する。 - 呼吸の音を聞く
気道がふさがったり、異物や唾などが詰まると、ゴロゴロやヒューヒューといった音が聞こえたりします。 - 吐く息を感じる
傷病者の吐く息が救助者の頬に感じられるかどうかの確認をする。
☆呼吸をしていない場合
呼吸を確認できない場合、心停止と判断します。この場合は一刻を争うので判断に10秒以上かけないようにしましょう。その際は心肺蘇生が必要となります。呼吸が確認できた場合は、気道を確保し回復体位にして様子を見続けましょう。
傷病者には一分一秒が生死に関わり、さらにはその際の対応次第で将来にまで大きく影響していきます。もしもの時がいつくるかはわかりませんが、早期に対応できるように確認しておきましょう!