今回、解説するベネット病変は肩関節後方のスポーツ障害で、主に野球などの投球過多により痛みを伴う事があります。
原因は以前に解説した投球のメカニズムの中で最後のフォロースルー期と言う部分で発症することがあります。フォロースルー期は投球の最後で腕を振る部分なのですが、その際、上腕三頭筋(腕の後ろの筋肉)が関節窩(関節の受け皿)の関節包付着部を強く牽引し、その繰り返しの動作により関節窩後方に骨化(骨棘)が生じます。
無痛性であまり痛みを伴わない場合は保存療法で十分改善するのですが、重度の痛みがある場合は手術で骨を削ることもあります。
保存療法ではまず投球の一時休止、その間はインナーマッスルなどを中心に筋力強化訓練を行い、症状が軽快してきたら徐々に投球を開始します。
投球後はアイシングなどをしてクールダウンを行います。
まずは早期発見、治療が大事ですので痛みを感じたら早めに専門の先生を受診することが大切です。