THE解説

疋田整骨院 > THE解説

トレーニング理論Ⅳ ~筋疲労について~

筋力トレーニングを続けていくうちに、「先週は50kgが上がったのに今週は40kgが限界」という経験をした方も多いのではないでしょうか?

これは、筋肉の疲労が十分に回復されていない為です。また、その日のコンディションによっても、上げられるウエイトは変わってきます。疲労回復を促す筋肉代謝は、25歳をピークに低下し、徐々に疲労回復に時間がかかるようになります。 筋疲労がある状態で、無理に重いウエイトでトレーニングを行うと、フォームも崩れ、更にトレーニング効果も薄れるばかりか、怪我の原因ともなります。

まず、その日の自分のコンディションを判断し、正しいフォームで行える負荷に設定してトレーニングをしていく事が重要です。フォームが崩れてきたら、その場でトレーニングを中止してください。「やめる勇気」も必要です。

腰椎椎間板ヘルニア(1)

患者さんが「腰が痛いんだけどヘルニアかな?」と不安になり訪ねて来られる方が多いので、何回かに分けて腰椎椎間板ヘルニアのことを説明します。

「咳やくしゃみをすると足に電気が走るようだ」
「最近になり、お尻から足の方まで痛い。しびれる。」
一見丈夫そうに見える青壮年期の人で、このような訴えがあれば、腰椎椎間板ヘルニアの可能性が高くなります。 主症状は腰痛と足の痛みですが、この他には感覚障害、筋力低下、反射の異常などの症状があらわれます。症状が強ければ前かがみできず、左右どちらかへ身体が曲がり、歩行時足を引きずることもあります。また仰向けで膝を伸ばして足を持ち上げようとすると痛みがでます。
年齢は早ければ10歳代前半でも起こりますが、
一般的には30才代を中心とした青壮年に多くみられます。

img

脊椎は、硬い椎骨の間に椎間軟骨が挟まったつくりになっており、この軟骨は背骨に加わる衝撃を和らげる、クッションのような役目を持っています。
この、軟骨の中にある髄核という組織が、なんらかの原因で飛び出してきて、脊髄神経を圧迫することがあり、これを椎間板ヘルニアと呼び、第4-5腰椎~仙骨(腰椎のさらに下で骨盤にある骨)間に多発します。圧迫されることで痛み(主に坐骨神経痛)が起こり、下肢痛や重症例では排尿障害なども生じます。 いわゆる、“ぎっくり腰”は重い荷物を持った時のような、ほんのわずかなきっかけで起こる腰痛の発作ですが、その“ぎっくり腰”の一部もヘルニアである可能性がありますのでご注意ください。

* ヘルニアとは「脱出」「突出」というような意味の言葉です。

姿勢 No.2

姿勢シリーズ。今回は、お尻の筋肉(殿筋)についてお話しします。

人間の進化の中で、もっとも発達した部分と書いてある参考書も多い殿筋。 なぜかというと、前回お話した脊椎の弯曲に関与しているからです。殿筋は腰椎の前弯に大きく関与しています。
人間は、四足歩行から二足歩行に進化した動物です。一番の進化は、殿筋が発達したことにより骨盤の回旋が起こる。その回旋により腰椎の前弯が作り出されたことだといわれています。実際に、猿と人間の違いを取り上げると、前弯がある人間の立位は直立できるのに比べて、前弯がない猿の立位は直立できていません。自然に、二本の足で立ち・歩く。これには人間ならではの進化や殿筋の発達があるからだと考えられます。

殿筋の維持や弱くなることを防ぐことが、人間の姿勢を維持することと繋がるのではないでしょうか?
そのためにも、運動やストレッチなどをして体を動かし、筋力維持を心がけましょう。

投球動作のメカニズム

今回は野球の投球動作についてお話したいと思います。野球の投球ではさまざまな障害が起こるためどの部分で一番障害を起こしやすいのかなどを説明していきたいと思います。
まず投球動作には大きく分けて次の5つに分類する事ができます。

① ワインドアップ期
② コッキング期
③ 加速期
④ リリース期
⑤ フォロースルー期

① ワインドアップ期
これはピッチャーが振りかぶって足を上げるところまでの動作を言います。ワインドアップ期ではほとんど障害を起こすことは無いと思います。

② コッキング期
この動きは肩をテイクバックし、足は地面に着地するまでの動作を言います。この動作では肩の外転、外旋という動きが強く強制される為、上腕二頭筋長頭腱(力こぶの筋肉が肩に付くスジ)などに大きな牽引作用が加わります。この為、繰り返しストレスがかかると野球肩などの障害を引き起こしてしまいます。それからコッキング期では肘の内側の靭帯にもストレス(伸ばされる)が加わる為、野球肘の原因にもなります。

③ ④ 加速期~リリース期
加速期はボールの投げ始めからリリースするまでの期間を言います。投球動作の中でも加速期からリリース期にかけてが特に回旋、牽引などストレスが過大に加わる為、最も障害を起こしやすい期間です。肩関節には外転、内旋運動が強制され肘は強く外反される為、肘の内側部の靭帯が牽引され内側に負担がかかります。一方肘の外側にも圧迫、回旋力が加わる以前に解説した離断性骨軟骨炎などの障害を起こしやすくなります。

⑤ フォロースルー期
これはボールがリリースされ投球が終わるまでの期間でここでは上腕三頭筋(上腕の裏側の筋肉)が収縮される為、肩、肘共に後方の障害が多くなります。代表的な疾患はベネット骨棘と言う骨棘形成があり痛みの原因になります。

投げる動作を正しく理解し障害を起こしにくいフォームを作ることが大切だと思います。

トレーニング理論Ⅲ ~ 筋力トレーニング ~

夏に向けて「体づくり」をしようとしている方は、結構多いのではないでしょうか。
今回は筋力トレーニングの負荷についてのお話しです。

筋力トレーニングが初心者の方は、まず基本フォームを身に付ける意味で20RMぐらいの負荷で スタートしてください。20RMとは、20回反復できるというやや軽めの重さです。20回×1~2セット をこなして、使う筋肉と正しいフォームを確実に身に付ける技術練習をしてください。一度間違ったフォームを体にインプットしてしまうと、そこから抜け出るのが大変なのです。フォームが悪いと期待した効果がでないし、怪我にもつながります。

最終的には10RM(10回反復するのが精一杯という重さ)まで負荷をレベルアップして、2~3セット行うのが目標です。週2~3日を目安にトレーニングをしていくのが理想です。 トレーニング開始後、最初は20RMがやっとという重さが、それ以上反復できてしまうような時は、筋力がついてきた証拠ですので、少し負荷を重めに設定してください。筋力は常に「右肩上がり」なのです。

姿勢 No.1

よく姿勢について聞かれることが多いので、姿勢について何回かに分けて解説してみます。
背中が丸い・・・皆さんがよく口にする『猫背』です。今回は、背骨の形態と猫背のメカニズムについて簡単にお話しします。もともと背骨には、生理的湾曲というものがあります。首では前方、胸で後方、腰では前方、お尻で後方というように、全体で緩やかなS字のカーブをなしています。そのS字のバランスが崩れることにより、姿勢が悪くなっていくのです。

猫背の原因は、大きく2つに分かれると思います。
1つは、加齢などにより背骨の間にある軟骨(椎間円板)が薄くなっていく場合です。
これは、体を支持している筋肉の減弱により軟骨に負担がかかってしまいます。そのため、軟骨に含まれている水分が少なくなり、もともとある背骨の湾曲バランスが失われてしまうのです。もう1つは、同じ姿勢が続くことにより筋の緊張が強くなりそのため、筋肉のストレス(牽引力)で湾曲のバランスが失われてしまうものです。これは、仕事環境や日常生活パターン、個人の癖やスポーツ競技によるストレスなど、様々な要因によって起こります。どちらも筋肉が関与している問題です。

筋肉の維持はもちろんですが、筋の柔軟性を高めることも良い姿勢を保つためには必要なことだと思われます。
トレーニングや運動をしながら、ストレッチなどをして筋肉にかかっている負担を少しでも軽くしてあることが、良い姿勢を保つコツだと思われます。

外反母趾について

今回は、皆さん1度は聞いたことのある外反母趾についてです。
外反母趾とは、足の親指が外側(小指側)に向いてしまうものをいいます。
女性に多く発症しその原因は、長時間先の細い靴を履いたり、ヒールの高い靴を履いたりと大体履物が原因になることが多いです。その他は扁平足だったりするとなりやすいとされています。

外反母趾の程度としては、中足骨(足の甲の骨)延長線より15°以上だと外反母趾の始まりで、20°~40°だと中程度、40°以上になると重症とされています。
軽いうちは変形もそうでもないのでサポーター等で症状を軽減させる事も出来ますが、重度になってくると、その他の指にまで影響が出てくるくらいにひどくなります。
そうなると、観血的療法(手術)をして治すようになってしまいます。

外反母趾になってしまうと、なかなか痛みが取れない事もありますので
長時間、先の細い靴やヒールの高い靴を履くのは控えたほうが良いでしょう。

分裂膝蓋骨について

まず膝蓋骨と言うのは膝のお皿のことをいい、これが生まれつき2つに分かれていて膝蓋骨の外側上部に小さなかけらのようなもの(骨片)が認められる疾患です。
成長期の子供などが主に症状を訴える障害で、特にスポーツなどにより過度のストレスが加わると痛みを発症するケースが多く見られますが無症状のままで痛みを発症しない場合もあります。
症状は患部に圧痛、腫れ、スポーツ時の痛みなどがあり患部が膨隆(膨らんで)して見えることもあります。治療はまずスポーツ活動を一時中止し患部の安静をはかり理学療法(温熱、電気光線療法)を行います。症状が軽減してきたら徐々に大腿四頭筋(太ももの筋肉)のストレッチ及び筋力強化訓練等を行いますがそれでも痛みが繰り返される場合には観血的療法(手術)を行うこともあります。

思春期のトレーニング理論

以前、幼児期~思春期以前までのトレーニングについて解説しましたが、今回はスポーツ障害が一番起こりやすい思春期についてお話したいと思います。

この時期は骨の成長が最も活発で、それに対し筋の成長が追いつかず関節のROM(関節可動域)が低下し、体が硬くなります。中学生くらいの子供が体が硬いのはこの為だと考えられます。体が硬くなれば、必然とケガによる障害が発生しやすくなります。以前このコーナーでも説明した、オスグット・シュラッテル、ジャンパーズニー、踵骨骨端炎などはその代表的なスポーツ障害です。

予防には運動の前後に、正しい方法で積極的にストレッチを取り入れることが重要です。

また心肺機能、呼吸循環機能が発達するので、スタミナ(心肺持久力)を伸ばしやすい時期ですが、集中しながら運動できる時間は比較的短いので、持久走だけでなく楽しみながら持久力を高めるスポーツを取り入れることが、効果的です。

顎関節症

今回は顎関節症(あごの関節に出る痛み)についてです。
顎関節症とは顎関節の構成組織に起こる痛みのことで、その種類は咀嚼筋からくる痛みや靭帯からくる痛み、関節円板などからくる痛みが主です。発生要因として過度の咀嚼運動や無理に硬い物を噛んだ時などに好発します。他には入れ歯や差し歯の様な充填物の不適合によっても痛みが出たりします。

症状は、口の開閉時の痛みや開口制限、咀嚼筋の緊張、関節運動時の異常音などがあげられます。状態が悪化してくるとあくびをする時も痛みが出たり、食事をしている時でも痛みが出ることもあります。さらには開口した際、関節周囲の軟部組織がひっかかり一時だけ閉口不能になる場合もあります。ひっかかりがすぐ消失することもありますが、そのまま放っておくとなかなか戻らなくなることもあります。

そうならない様、おかしいなと思ったら早いうちに対処した方が良いでしょう。