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成長期の肩痛(リトルリーグ肩)について

この障害は小、中学生の野球選手、特に投手に起こりやすい疾患です。
原因は投球動作の繰り返しにより肩に負担がかかり、上腕骨頭の骨端線(骨の成長に関与する線)が損傷され痛みが生じます。症状は投球時の痛みから始まり肩全体に脱力感などが出てきます。成長期の肩痛はover useが原因となる事が多い為、まず第一に肩を休ませる事が大切です。

早期発見であれば保存療法で十分治療可能なので痛みが出たらなるべく早期に専門の先生(整骨院や整形外科)に相談すると良いでしょう。

野球肩の予防として
① 投球前にストレッチ等を十分に行う。
② 投球が過剰にならないよう注意する。
③ 練習後はRICE処置を行いクールダウンする。
以上のことを守って肩の痛みに注意しながら野球を続ける事が必要です。

幼児期~思春期以前までのトレーニング理論

この時期には、なによりも遊びを通じて体力を向上させ、危険を回避する能力を身につけることが大切な時期です。

また脳神経が一番発達する時期でもありますので、この期に運動の基本である走る、蹴る、投げる、泳ぐ等の基本動作が身についていると一生忘れないものです。小さい頃から一つのスポーツ競技を特化してしまうと、体の一つの部分に過度に負担をかけたり、筋力のアンバランスを引き起こして将来スポーツ障害を発症させる原因となってしまいます。いろいろなスポーツを経験し、それぞれの競技パフォーマンスに相乗効果を与えるような指導を心掛けることが大切です。

またウエイトトレーニングは関節や骨に負担をかけないよう低負荷で行い、正しい方法、フォームで無理をさせないよう細心の注意を払わなければなりません。

冷湿布と温湿布について

今回は、皆さん知っているようで知らない冷湿布と温湿布について説明します。
冷湿布、温湿布とも成分にあまり変わりはないのですが1つだけ違うのは、温湿布には「唐辛子エキス」と言う成分が含まれており、その成分により温かさを感じられるようになっています。使い分け方は、以前にもこの解説コーナーで説明があったと思いますが、急性期(痛めてすぐ)の時は冷湿布を、痛めて時間が経っているなどの時には温湿布をするという感じになります。使う時の注意点としては、切創、擦過傷などの部分には貼らないようにする事と、何度も同じ部分に貼っているとカブレたり痒みが出てきたりするのでこれらの事には注意して使ってください。怪我をした時に湿布をすることも良い処置ですが、冷やすのか温めるのか処置を間違えないようにすることが大切です。また湿布処置だけでは不足している場合もありますので、怪我をしたら程度にかかわらず早いうちに専門の先生に診察してもらうようにして下さい。

キーンベック病

今回はキーンベック病についての解説です。
手の関節には手根骨という八つの小さな骨がありますがその内、月状骨という骨に供給される血流が途絶されるために起こる疾患です。原因は月状骨に繰り返し微細な外力が加わり発症すると言われています。特に手をよく使う仕事をする人(例えば大工さん)などに発症するケースが多く、症状は手関節痛、運動制限(特に手首を上げ下げする運動の制限)がありその後、握力の低下など徐々に症状が悪化する場合があります。

治療に関しては初期で比較的症状が軽い場合であれば保存的療法で快復しますが症状が悪化した症例に対しては手術的療法が適応されることもあります。キーンベック病は徐々に痛みが現れ、初期には安静により症状が軽減するため放置されやすいので早期の診察が重要です。

トレーニング理論Ⅱ ~ コンセントリック・エクセントリック コントラクションについて ~

言葉だけ聞くとなんだか分からないですが、誰でもどこでもやっていて、私たちが体を動かす上でなくてはならない筋収縮のメカニズムなのです。たとえば、懸垂で体を上に引き上げるときや、階段を上がるとき等は筋肉を収縮させその長さを`短くしながら`負荷に逆らって力を出しています。このような運動をコンセントリック・コントラクション(短縮性収縮)といいます。

一方、懸垂で体を下ろす際、階段を下りるとき等は筋肉は収縮していますが、その外力に耐えつつその長さを伸張しながら力を出しています。この運動をエクセントリック・コントラクション(伸張性収縮)といいます。

後者は前者よりも発揮される力は大きいので、筋トレではエクセントリック時に動作をゆっくり行うことが筋力アップへの近道です。

最近の研究では、遅発性筋肉痛(トレーニング後に発生する筋肉痛)の原因は従来考えられていた‘乳酸の蓄積‘ではなく、エクセントリック運動時の筋損傷が原因であるといわれています。

臨床上、スポーツ外傷では上記のような事を深く理解し、どのような動作、外力で筋肉を損傷したのかを注意深く聞くことは重要です。また筋力トレーニングを行う際も、これらの筋収縮メカニズムの特徴を理解し、目的にあった様式を選ぶことが大切です。

de Quervain(ドゥケルバン)病について

de Quervain病とは、親指の腱に起こる狭窄性腱鞘炎でその名のとおり、腱の通過するところが様々な原因により狭窄される為に起こる腱鞘炎の事で、手をよく使う女性の方に好発するとされています。

 大体の原因が手を使用することによって起こる腱と腱鞘の摩擦が原因とされています。その摩擦が繰り返される事により炎症が起き、痛みや腫れ熱感などの症状が出てきます。悪化してくると腫れによって狭窄された場所を腱が通過するので親指を動かすたびに「ギスギスッ」という音が感じられることもあります。

 症状の出る場所としては、大半が橈骨茎状突起(手首の親指側の出っ張り)という部分とその周囲にでてきます。「ギスギス」音が感じられるぐらいになると完治するまでに時間がかかってしまいます。もし、橈骨茎状突起の周囲に異常を感じたら早めに処置をしてもらった方がいいでしょう。

母指の捻挫(尺側側副靭帯損傷)について

今回の解説は母指(親指)の捻挫の中でも尺側側副靭帯損傷について解説したいと思います。 尺側側副靭帯とは母指MP(中手骨と母指の基節骨)を結ぶ靭帯です。本外傷は手をついて母指が外側へ強く強制された際に損傷しますが、一般的にはスキーでの転倒でストックのストラップにより母指を外側に強制され損傷するケースが多く靭帯の完全断裂をきたすこともあります。 適切な治療が行われないと母指の長期間の関節不安定性と機能障害を残す可能性がある為注意が必要です。

靭帯損傷には次のような分類があります。
第1度:靭帯の微細損傷で関節は安定している。
第2度:靭帯の部分断裂で軽度の関節不安定性がある。
第3度:靭帯の完全断裂で関節不安定性が著名にみられる。

尺側側副靭帯損傷での1度、2度の捻挫では保存的療法が可能ですが3度(完全断裂)ではほとんどの場合観血的療法が適用される為受傷した際は早期に専門の先生に受診されることをお薦めします。

骨折後の拘縮(こうしゅく)について

骨折したときギプス等で固定をして、骨がくっつけば治ると考えている方が意外に多いようです。しかし実際は、固定を外してからの方が患者さんにとっては大変かもしれません。患部周囲に拘縮(こうしゅく)が起こることが多いからです。拘縮(こうしゅく)とは、長期の固定等により関節・筋・腱・靭帯等が硬くなり動きが悪い、また痛くて動かせない状態です。快復させるには硬くなった部分(関節・筋・腱・靭帯等)を動かすこと(いわゆるリハビリ)が必要になります。これは自分でも出来ますが、周りの組織を傷めることなく、なおかつ効率的に運動させるのは困難です。専門のリハビリ施設または整骨院等で指導を受けたほうが良いでしょう。

TFCC損傷

今月は手首の痛み・・・特に三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷について説明します。手首の痛みを訴えて来院される方は多いのですが、その中でも注意を要するのが手関節の三角線維軟骨複合体(TFCC)と呼ばれる組織の損傷です。

TFCCは手関節尺側(小指側)にある尺骨茎状突起の周囲にあり、関節円板と靭帯、腱鞘で形成されています。働きとしては、手関節の安定性と手関節に伝わる衝撃を緩和するクッションのような役割をしています。手首が回内回外(内ひねり、外ひねり)を過度に強制されたり、転倒などで手を突いた時などの外傷によるものと慢性的な使いすぎによるものや、加齢に伴う退行性変性を基盤に発症する非外傷性のものがあります。症状としては手関節尺側部に疼痛、腫脹が生じ前腕の回旋動作によって痛みが増悪し時には関節音も伴います。治療法としては、3w~4wの外固定をし患部の安静を図りながら基本的には理学療法等の保存療法を行いますが、症状によっては関節鏡視下手術を行う症例もあります。この部位はレントゲンには異常を認めないことが多いので、慎重な診断が必要になります。

コンパートメント症候群

四肢には骨と筋、筋膜などによって作られているコンパートメント(区画)があり、その内圧が何らかの原因によって上昇しその影響で血行、神経障害を起こし筋の機能不全や壊死になるものがコンパートメント症候群です。

その原因として骨折や打撲などによる筋肉内出血、ギプス、包帯による過剰な固定などに由来するものがあります。過剰な固定をするとただでさえ少ない容積の区画を抑制しさらに、損傷部位からの出血で内側から膨張し、膨張した圧力は逃げ場がなくなり、ほかの組織を圧迫し各々の障害を起こします。 症状は、著しい痛みと患肢の腫脹、神経が障害されている場合はその神経支配域の知覚障害などが出現したり、腫脹や内圧上昇などによって血管が圧迫されれば脈拍が減弱することもあります。

コンパートメント症候群らしき症状が出現して、処置をしてもらわず放っておくと不可逆性の拘縮を起こし大きな障害を残すこともあります。それらしき症状が出たときには早急に処置をしてもらった方がいいでしょう。