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石灰沈着性腱板炎

今回は肩関節の疾患の中で石灰沈着性腱板炎について解説したいと思います。この疾患は石灰(カルシウム)が肩関節腱板内(肩関節の安定、補強に関与する小さな筋肉)に沈着することにより引き起こされる急性炎症で、最も多く沈着しやすいのは棘上筋腱という筋肉です。

好発年齢は40~50歳の女性に多いと言われ、その特徴として急性発症、激痛、夜間痛、運動制限などを認めときに発赤、熱感を伴うこともあります。治療法としては殆どが理学療法と三角巾等の安静固定による保存的療法で石灰化物が吸収され症状が軽快しますが、石灰化物が消退せず強い疼痛が続く症例に対しては石灰を除去する吸引療法や手術的療法を適応する場合もあります。

インフォームドコンセント

傷病等に対する処置を行う際、十分に患者さんにその内容や治療法方とそれによる効果・問題点・危険性等(メリット・デメリット)を説明し、理解を得るという考え方です。

患者さんの中には随分勉強されいろんな知識があって来院される方も多いのですが、知っているからこそ疑問に思うことも多いかと・・・例えば自分では腰椎ヘルニアじゃないかと思っていたが、そうではないといわれたとか。自分では温めたほうがいいと思ったが、冷やしたほうがいいといわれたり。そんな時は遠慮せず質問してみてください。インフォームドコンセントは最近では多くの現場で取り入れられている事と思いますので、きっとわかりやすく説明してくれるでしょう。もちろん当院でもこれを念頭に置き診察・施術をおこなっています。

トレーニング理論Ⅰ ~ 超回復と休養 ~

スポーツに於いてベストパフォーマンスを生み出すために筋力トレーニングを取り入れている選手が多いと思いますが、今回はそんなアスリートの為に筋肉のメカニズムについてお話したいと思います。ここで重要なのが筋トレだけでなく休息についても十分に理解していくことが大切です。私たちの体はトレーニングすることによってミクロのレベルで筋肉は破壊されます。この破壊された筋肉はその後24~28時間かけてゆっくりと修復されます。このとき筋肉に適切な休息を与える事により、破壊された筋肉は以前より大きく強い筋肉になります。これが「超回復」という現象です。

トレーニング→破壊→休息→回復のサイクルで右肩上がりに筋力は向上するのです。このとき休息が十分でないと超回復で筋が修復される前に再度破壊されてしまい、筋肉の破壊だけが繰り返され筋肉は痩せ細り、トレーニングしているにもかかわらず期待どうりの結果が出せなくなるばかりか怪我も多くなるのです。「勝つため」には正しい休養も必要かも知れません。

鎖骨の骨折

鎖骨は腕と体をつないでいる骨の一つで、内側は胸骨といって胸の骨につき、外側は肩甲骨の肩峰端と靭帯で強くつながっている細長い骨です。格闘技で投げられて肩から落ちたり、肩から転んだときに折れ易く、横からの圧力に弱いのが特徴です。骨折すると勿論痛みが強く、腕の上げ下ろしが出来ませんし手を使う事も出来ません。治療法は手術をして金具でとめる方法と手術をしないで骨を元に戻してしっかりと固定をして治す方法と二通りありますが、手術をしないで治るのが大部分で我々整骨院、接骨院の最も得意とする骨折の一つです。

種子骨痛

まず種子骨という骨について説明すると、手、足、膝関節を構成する腱(スジ)の内部にある小さな骨で筋肉や腱の機能を高め骨を保護する役割をしています。人体の中で最も大きい種子骨は膝蓋骨(膝のお皿の骨)で、種子骨痛が起こりやすい部位は母趾MP関節(足、親指の付け根の関節)の足底(足の裏)の部分です。原因はランニングや跳躍などで種子骨に繰り返し小さな外力が加わることにより炎症が起こり疼痛が徐々に出現します。

治療及び防止としては、種子骨の下にパッド、足底挿板などを入れることが有効です。注意点は悪化すると骨折などを引き起こす危険がある為、痛みを発症したら早期に専門の先生に診察を受けましょう。

リュックサック麻痺

今回はリュックサック麻痺について解説します。これは登山やハイキングなどで重すぎるリュックなどを背負って上肢にシビレや麻痺が出現する疾患です。リュックの重さで肩甲骨が引き下げられ、その近くを通る腕神経叢という神経の束が圧迫されて発症します。痺れなどの症状に早めに気付いて直にリュックを担ぐのを止めれば回復は良好ですが、体にあった大きさ・重量のリュックをぴったりと体に密着させるように担ぎ、ストラップの幅・クッションを調節するなどして予防すると良いでしょう。

踵骨(しょうこつ)骨折

踵骨は踵(かかと)の部分の骨で、外力に弱く潰れやすい性質をもっています。踵骨骨折は高所からの墜落によって踵部を打撲して起こる骨折で、大部分が圧迫骨折です。受傷後は疼痛や足関節の運動に伴う激しい痛みや患肢への荷重が不能となり、腫脹、皮下出血が著名に現れます。非常に治療の難しい骨折で変形(踵骨が外側に隆起してしまう)が残ったり、外傷性偏平足を起こしたりまたそれに伴う疼痛が残存しやすい骨折の1つです。転位が高度のものや骨折が関節面に及ぶものは、手術の適応となります。骨折の程度にもよりますが約8~10wは松葉杖にて免荷(骨折した足をつかない事)を行いながら自動運動、理学療法等を施行しその後、足底装具により徐々に荷重歩行を開始していきます。早期荷重は変形治癒の原因となりますので、治療方針は個々の症例にあわせて専門医の先生と十分に検討しながら機能的な治癒を目指さなければなりません。

Heberden(ヘバーデン)結節

ヘバーデン結節とは、手のDIP関節(指先の関節)の退行性変化(加齢による変化)による肥大、変形で中年以降の女性に多く発生し、その比率は男性の10倍とされています。変形が始まってくると、DIP関節に腫れや痛み変形が出現し関節の背側(手の甲側)が隆起突出してきます。急性期のものだとこの症状に発赤などが起こってくることもあり、痛み、発赤が強い場合には加療が必要になります。しかし、起きた変形すべてにこの症状が出現するのではなく、痛みが軽度で済む場合もあります。ここの関節が変形してくると、「リウマチ」を心配される方がおられますが、リウマチでは、PIP関節(指先から2つ目の関節)に出てくることが主でDIP関節が侵されることは少ないとされています。

モートン神経腫(モートン病)

モートン神経腫とは、通常足の第3,4趾間(中指、薬指間)に発症する絞扼性(締めつけ)の神経障害です。症状は3,4趾間に痛みが生じ、ときには指先にまで痛みやシビレが放散します。きつい靴などを履くと痛みが強く生じ、裸足になると痛みが消失する場合があります。原因としては幅が狭い靴を履くことで発症するケースが多いと言われています。治療法は理学療法を行いますが、骨を圧迫しないように幅の広い靴を履いたり足底板などを使用する方法もあります。また、症状が軽快しても再発することが多いため注意が必要です。初期段階では痛みはあまり強くなく徐々に強くなってくる場合があるので症状を発症したら早期に専門の先生の診察を受けましょう。

タナ障害(滑膜ヒダ障害)

膝の関節に大腿骨と膝蓋骨を分ける隔壁(滑膜ヒダ)があり、膝の使いすぎにより炎症を起こし滑膜ヒダが膝の関節に挟まってしまう疾患です。膝をぶつけたりして起こることもあります。症状は膝を曲げ伸ばしした時にひっかかったり、ポキッという音(このときに痛みを伴う)がしたり、炎症が強い場合には歩いているときも痛くなったりします。対処法としては安静が第一です。炎症が治まってきたら大腿部のストレッチや膝周辺の筋力強化をして膝にかかる負担を軽減することも重要です。安静による保存的療法で改善されない場合は、滑膜ヒダを切り取る手術をすることもあります。