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Burner Syndrome = バーナー症候群

バーナー症候群とは、レスリング、相撲、ラグビー、アメフトなどのコンタクトスポーツで相手と接触した際、頚部に過度の外力が加わり発生する一過性の神経障害です。焼けるような灼熱感のある痛み(電気がはしるような痛み)が発生するのでBurner Syndromeというそうです。腕神経叢(頚からでる頚髄神経が何本かが合して肩から腕にとどく神経の束)という神経の束が、強制的に伸展され発症します。症状は数分で軽快することが多いですが、数ヶ月間持続するものもあります。受傷後は、痛みの様子をみて頚部に負担のかからないランニング等から開始し、痛くない範囲で頚部の前後屈、左右回旋、側屈等の自動運動から徐々に行います。頚部をフルに動かして、肩、腕に放散する痛みがなければ頚部の筋力強化をはじめていきます。

ガングリオンについて

今回は、ガングリオンについて説明します。ガングリオンとは、手関節(手首)付近に好発する腫瘍のことです。腫瘍といっても悪性ではなく良性の腫瘍です。形は丸い形をしていて、大きさはエンドウ豆ぐらいの大きさから親指頭ぐらいまでの大きさがあり、硬さは柔らかいものから軟骨ぐらいに硬いものもあります。

その発生原因は、手の使用過多や、何らかの衝撃が加わった際に発生するといわれています。中身は、手関節関節包(関節を包む袋のようなもの)の中の滑液だったり、手関節やその付近の脂肪組織などによるものとされており、半透明でゼリー様の粘液が入っています。症状は、出てくる場所にもよりますが、痛みを伴わないものが多く、あっても軽度なもので多くがこのタイプです。しかし、場所が悪かったりすると、神経や周囲の組織を圧迫し、痛みと共にシビレ、違和感を生じる事もあります。

治療は、保存的療法と外科的療法(手術)とがあり、前者の方は患部に綿花などで圧迫を加えたり、指で押し内容物を散らせ減少させるという方法で柔らかければ減少するのは早く硬いと、柔らかくするかとが優先されるので時間がかかってしまいます。外科的療法の場合は、柔らかければ体表から注射器などで吸引し内容を摘出する事ができますが、硬いものだと、切開して摘出するということになります。保存的、外科的どちらにもメリット、デメリットがありますが、柔らかいものの方が治るまでにかかる時間が短くて済みますので、ガングリオンがあることに気付いたら放っておかず、早いうちに治療を受けることをお薦めします。

腓腹筋攣縮(こむらがえり)について

寒い日や運動中またはその後、夜寝ている際に主にふくらはぎが攣れて痛いこむらがえり。こむらがえりとは、ふくらはぎの一部の筋肉が勝手に収縮し、それが筋肉全体に広がり、さらに収縮し続ける状態をいいます。では、何故この様な事が起きるのかといいますと、通常、まず筋肉が収縮すると、周りの皮膚や感覚神経のセンサーが脳に送られそこであとどれだけ運動を続けるかなどの指令を筋肉に送ります。それで人間の体は動く訳ですが、そのコントロールが上手くいかなくなると、こむらがえりが発生します。体内の水分や電解質(カルシウムやマグネシウムなど)が少なくなると、神経や筋肉が刺激を受け易くなるので運動時や疲労が強い時に発生しやすくなるのです。

また、温度の低い場所では感覚が低下する為、筋肉の収縮を抑える働きが鈍くなり、その結果こむらがえりが起こるといわれています。もし、こむらがえりを起こしてしまった場合は、膝を伸展(伸ばす)、足首を背屈(上に反らす)させ、ふくらはぎをゆっくり伸ばして下さい。ふくらはぎのストレッチで筋肉は弛緩します。予防法としては、ミネラルを含んだ飲料水の補給、筋肉の柔軟性をつける(マッサージも効果があります)。足の冷えに注意する、などがあります。

怪我の応急処置

RICE(ライス)の原則
まず怪我をしたときは、レスト(安静)、アイス(冷やす)、コンプレッション(患部の圧迫)、そして、エレベーション(高拳)この4つが基本です。最近はこの他にもいろいろな処置が必要とされていますが、一般の方が行う処置としてはこの4つで十分でしょう。

レスト >>
まずは患部を安静にする事です。

アイス >>
患部を冷やすことです。これをアイシングといいます。

コンプレッション >>
患部を圧迫し、なるだけ腫れの出現を抑えます。これにより回復のスピードが違ってきます。しかし、あまり強く圧迫しすぎると二次障害を起こすことがありますので、ほどほどにして下さい。

エレベーション >>
怪我をすると患部に多かれ少なかれ出血がおきます。その出血をなるだけ少なくするように心臓の位置より高くする必要があります。

鵞足(がそく)炎について

今回は、膝関節の疾患で鵞足(がそく)炎を解説します。鵞足とは骨盤から起こる大腿屈筋群(太ももの裏部にあって主に膝を曲げる筋)のうち縫工筋、薄筋、半腱様筋という筋肉が脛骨(足のスネの部分の骨)の上部内側(膝関節の少し下の内側部分)に放射状に付着する部分をいいます。この鵞足部にスポーツ活動などで急に方向転換時の動作(膝関節外反(横ぶれ)、下腿外旋(ねじれ)を繰り返し行うことによりストレスが加わったり周辺の組織との摩擦が原因で炎症が起きたものを鵞足炎と言います。

症状としては、鵞足部に疼痛、軽度の腫脹や引っかかり感などが生じます。治療としては、症状を認めた場合は早期に練習を休止し、以前の解説でもあったようにRICEの基本原則に従い処置を行いましょう。症状が軽快してもすぐに運動を再開すると再発しやすいので、専門の先生などに相談し、ウォーミングアップ時のストレッチ等の指導を受け再発を予防することが極めて重要です。

アキレス腱断裂

アキレス腱障害について以前に解説しましたが、今回はアキレス腱の断裂について解説します。運動をしていて急に走り始まった時や、ランニング中スピードアップしようとしてパワーを上げた時等に鈍い音とともに走ることができなくなります。ほとんどの方が受傷時「後ろから蹴られたような感じ」、「棒でたたかれたような感じ」といいます。患部の足関節を背屈(アキレス腱を伸ばした位置)してアキレス腱を触ると患部に凹が触れます。症状としてはまず歩行不能ですが、仮に歩けたとしてもつま先で立つことができませんのですぐ解ります。痛みや腫れはそんなに強くありませんので自分では軽い捻挫と思って来院する方もいます。治療方法は手術療法と手術をしないで治す保存療法がありますがどちらでも同じように治ります。手術療法となると当然、入院し手術を受けますので患者さんや家族の方にも負担が多くかかりますが保存療法では入院する必要もありませんし、手術による感染の心配もありません。一般の方では快復後の腱の強度についても両者ともほとんど変わらないというデータもあります。運動前には十分なストレッチを忘れないようにしましょう。

手の指先の怪我(ベースボールフィンガー)

指の怪我で重傷の部類に入る怪我の一つにベースボールフィンガーがあります。専門的には「槌指」といいますが、主に野球やバレーボールなど球技によって起こることがありますが、ときにはコンタクトスポーツでも起きます。ボールを捕球する動作や指の正面からストレスを受けた時におきる怪我です。即ち、指の先端の関節にだけ過度の屈曲が強制されたときに起こる怪我で、腱の断裂や指の先端の骨が剥離骨折を起こし、症状は指の先端の関節が下を向いてしまい自分の意思では指が真っ直ぐにならなくなり、腱の断裂の場合は痛みや腫れは少なく、骨折の場合には両者とも強く出るのが特徴です。 突き指をして指の先端の関節が下を向いてたら間違いなくこの怪我ですので早いうちに治療を受けてください。「そのうち治るだろう」は禁物です。放っておいても絶対に治りません。

膝のランニング障害「腸脛靭帯炎」

腸脛靭帯炎は一般にスポーツ選手のランニング障害として長距離ランナーにみられるoveruse(使い過ぎ)による障害の一つです。男性に多く見られ、またO脚を呈する方の発症例が多くみられます。腸脛靭帯は膝関節外側の支持構成体の一つで、膝関節を屈曲していくと腸脛靭帯と大腿骨外側上果(膝関節の少し上のゴリゴリとした部分)の骨隆起との摩擦が生じる為炎症を引き起こします。

また、ランニング時に下腿(すねの部分)の内旋(内側にねじれること)が生じ、よりいっそうのストレスが同部に働く部位でもあります。 症状としては、ランニング中の膝関節外側の痛みや膝関節外側裂隙(関節の隙間)より10センチくらい上部の圧痛が特徴です。治療法としては部位のアイシング・ストレッチの他理学療、局所の安静鎮静化と共にO脚の方であれば足底板やヒールウェッジ(踵に入れる角度のついた簡単な装具)を用いてアライメント(脚の正常な角度、この角度が狂うことによって痛みが発生しやすくなる)の矯正を行う場合もあります。

予防としてはトラック走の場合、同一方向だけの周回を控えたり、傾斜地でのランニングを避けたり、またシューズの底が異常な減り方をしているシューズは履かないようにすることです。痛みを感じたらあまり我慢をしないで早期に専門の先生に診察してもらいましょう。

足関節捻挫

足関節の捻挫も罹患率の高い怪我です。運動時や、靴やサンダルを履き損ねたりした時、また階段昇降時等にもよく捻挫します。一般には内反捻挫といって外果(外くるぶし)周辺を傷めることが多く、内果(内くるぶし)周辺や足の甲も傷めます。捻挫の項で説明しましたが、「関節のスジを伸ばした」というのは伸ばしたのではなくスジ(靭帯)が切れていることを言います。その切れ方が多いか少ないか、微細断裂か部分断裂か完全断裂かに分類され、それによって予後(治るまでの期間)が変わってきます。ですから同じ捻挫でも程度によっては1週間で治るのもあれば数ヶ月におよぶものもありますので、一口に捻挫といっても相当幅広く考えなければなりません。特に足関節の場合は加重という大きなリスクがありますので治療の過程でいかに損傷を受けた靭帯にストレスをかけないようにするかで治るまでの期間が違ってきます。また治すときにしっかりと治しておかないと何年でも愁訴を引きずり、つらい思いをするようになります。そうなるとおそらく生涯足関節の痛みに悩まされることになりますのでご注意を。

肘内障について

肘内障とは、小さい子供の「肘が抜けた」状態の事をいいます。前腕(肘から手首までの部分)には、2本の骨があり親指側の方の骨を橈骨(とうこつ)といい小指側を尺骨といいますが、さらに尺骨が肘関節でその橈骨の動きを輪状靭帯というスジで支えており、手のひらを返す運動の際、橈骨が外れないようにうまく制御しています。肘内障は特に2歳から就学前の子供に多くみられますが、この頃の子供の橈骨は、大人と比べるとまだ未発達な為、強く引っ張られたり、転んだりした時に橈骨の先端が先ほどの輪状靭帯から少し外れる「亜脱臼」した状態になり、そうなると、子供は痛みのために手や肘を動かす事も手を上げる事も出来なくなります。

強く手を引いた後や転んで手や肘をついた後に手を使わなくなった時は、まず肘内障を疑って良いと思います。しかし発生機序によっては骨折をしている可能性もありますので、なるべく早く専門の先生に診てもらえば、どちらの怪我でもすぐ判断がつきますし肘内障であれば整復をしてもらえばすぐに手を使い始めます。また、一度肘内障を起こした肘は再度抜ける事が多いので手を引っ張る時は、なるべく肘を握って手を引いてあげて下さい。

小さいころよく「肩が抜けた」という方がおられますがこれは肘の抜けたのと勘違いされています。この時期は肘が抜けてもまず肩は抜けません。