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踵骨(かかと)骨端症(Sever病 セーバー病)

 今回は踵骨(かかと)骨端症(Sever病 セーバー病)について解説したいと思います。
骨端症とは前回もお話し合ったように子供の成長期にある骨の骨端線部が壊死を起こす病気のことを言います。

 踵骨骨端症は主に10歳前後の男児に好発し、レントゲン上では、患部に硬化および分節化がみられます。

 原因として、踵には成長期に見られる骨端軟骨(成長線)という軟らかい部分があり、その周辺にアキレス腱などの組織が付着しています。過度の運動などによりそのアキレス腱付着部が持続的に牽引され続けることや繰り返えされる踵への衝撃などによりその骨端軟骨に炎症が起きて踵骨骨端部に痛みが発生します。

 症状としては運動痛・患部への圧痛が主で、疼痛を避ける為に踵を着きたがらなくなるので尖足歩行(つま先歩き)をすることもあります。

 治療は局所の安静、運動の制限または中止、痛みが続く場合には踵への衝撃を和らげるように踵の下に柔らかいクッション材など入れて負荷のかからないようにします。重度の場合は松葉杖を使用し足を着かない状況を作ることがありますが比較的予後は良好です。

 このような症状が見られた際には当院または専門医をお尋ねください。

第2ケーラー病(フライバーグ病)について

 今回は第2ケーラー病(フライバーグ病)についてお話ししようと思います。

 第2ケーラー病とは主に足の第2中足骨頭(足の人差し指の付け根の関節部周辺)におこる骨端症です。(骨端症とは成長期にある骨端線が壊死を起こす病気の総称)

 主に10歳代の女性に好発し、レントゲン撮影下で中足骨骨頭部の骨軟骨片が壊死して圧潰(つぶされた)された状態が確認できます。

 原因は、中足趾関節(指の付け根)が背屈(指を反る動作)することにより過度なストレスがかかり発生することが多いと言われています。怪我に続発する場合もありますが、原因が分からない場合でも発症することがあるので注意が必要です。

 症状としては足の人差し指の付け根周辺に痛みを訴え、運動を行うことで痛みが悪化します。特に足前方に体重をかける動作で痛みを感じることが多く見られます。

 処置として、発症初期ではテーピング固定等を行い足趾の運動を制限し、保存的に骨軟骨片の骨の再癒合を図ります。骨軟骨片の損傷が大きい場合は手術の適応になることもあるのでその場合は専門医に託します。

 バレエなど競技特性によって発生しやすい場合もあるので、気になる症状がある場合は当院または専門医にご相談ください。

高齢者骨折の特徴 胸腰椎椎体圧迫骨折

 今回は胸腰椎椎体圧迫骨折について解説します。

胸腰椎椎体圧迫骨折の説明図

 まず圧迫骨折とは、高所からの転落や転倒時に尻もちを着いた際に脊柱に圧迫力と屈曲力が働くことにより生じる骨折です。特に高齢者に多い理由として骨粗鬆症が関係しているといわれています。また、骨折の形態としては脊柱の前方部が最も損傷されやすいとされており、その為後方部分にある靭帯や脊髄の損傷が発生する可能性の低い骨折とされています。

 症状としては痛みにより起立や歩行、前かがみ動作で制限が見られ、受傷部周辺に帯状に痛みが出現します。

 注意点として、骨粗鬆症の進行した症例では咳やくしゃみなど軽微な外力で発生することも多く、単なる背中の痛みと勘違いされることもあります。その為、受傷時のしっかりとした判断・対応・処置が重要となります。

 明らかな原因が無い場合でも上記のような症状が出現した場合には早めに専門医に診てもらうことをお勧めします。

高齢者骨折の特徴 大腿骨頸部骨折

 高齢者の方に多い骨折シリーズ。今回は「大腿骨頸部骨折」について解説したいと思います。

 まず大腿骨頸部の場所は股関節の付け根当たりを言います。また骨折した部分により「内側骨折」「外側骨折」(図1)に分けられ、特に高齢者の方は「内側骨折」になることが多いです。今回は大腿骨頸部内側骨折について解説をします。

大腿骨頸部骨折の説明図

〖大腿骨頸部内側骨折〗

◆発生機序

 転倒した際に腰の側面を打ち付けたことによって発生することが多く、大腿骨頸部に強い力が加わり発生。
 また高齢の場合、歩いている時や立ち上がる時など、頸部に小さな力が加わる際にも発生することがあるので注意が必要である。

◆症状

 起立動作が不能となり、仰向けの状態で足を上げることが出来なくなる。
 腫れはあまり著明には見られず、痛みは股関節部に圧迫を加えると出現する。また、踵(かかと)の下から股関節の方向へ圧を加えると強い痛みが出る。
 骨折の程度によっては歩行が可能な場合もあるので、歩行ができるから骨折ではないと判断してはいけない。

◆処置

 一般的に観血療法(人工骨頭置換術、人工関節置換術、釘固定術など)が適応。
※長期にわたる固定と臥床はとても注意が必要です。長期固定により膝関節の可動域制限は多少なりとも頻発します。固定開始直後からほかの関節の運動を行うようにします。
※寝たきりの状態が続くと、認知症・沈下性肺炎・褥瘡・尿路感染などの続発症が発生する場合があるので注意が必要です。

 高齢者の骨折の中でも、治癒までの期間が長く、認知症や肺炎など違う疾患を合併するリスクが高い骨折です。このような発生機序・症状がみられた際には、速やかに専門医にお尋ねください。

高齢者骨折の特徴 橈骨遠位端部骨折

 今回は前回に引き続き高齢者の方に多い骨折の中から「橈骨遠位端部骨折」について解説したいと思います。

 本骨折の発生機序は転倒時に手をついて起こることが多く、手のつき方により骨折の呼び方や症状が変わります。手のひらから着いた場合は「コーレス骨折」、手の甲から着いた場合は「スミス骨折」と呼ばれています。

 症状は、高度な腫脹が前腕遠位端部から手関節部・手部にかけて出現し、受傷数時間後には手指にまで腫脹がみられます。安静時でもズキズキするような痛みがみられ、患部への限局性圧痛、介達痛がはっきりとみられます。手のひらを上に向ける運動や手で物を握る、親指と人差し指で摘まむ動作に運動制限などの障害が出現します。

 処置としては必要な場合に整復動作を行い、その後患部の固定を行います。(医師の同意を得た後に行います)固定後は手指等の拘縮予防のために指の運動を翌日から開始させ、循環の改善を含めたリハビリを行います。約4~5週間で骨癒合を認め固定を徐々に外し、手首を中心に温熱療法・運動療法を行います。高齢者の方の場合は肩・肘関節に拘縮が発生しやすい為積極的な運動が必要となります。

 骨折の中でも比較的発生しやすいものになります。このような症状が見られましたら速やかに専門医をお尋ねください。

高齢者骨折の特徴 上腕骨外科頸骨折

 今回は前回紹介した高齢者の方に多い骨折の中から「上腕骨外科頸骨折」について解説したいと思います。

 まず、上腕骨の外科頸部とは上腕骨の上部のところ(図1の赤い線の部分)で、この部分で骨折が起こったものを上腕骨外科頸骨折と言います。

上腕骨外科頸骨折の説明図

 発生機序は転倒時に手や肘をついた際に起こることが多いとされ、手や肘の着き方によって骨折の形態が変化し「外転型」と「内転型」の二つに分類されます。
外転型の場合、近位の骨は内方へ向き、遠位の骨は外方に向くような形になります。
内転型の場合は外転型の逆の形となり、近位の骨は外方へ、遠位の骨は内方へ向きます。(写真参照)

 症状としては、骨折部の出血が著明に見られ血腫を形成します。そのため肩関節部が大きく腫れて見えます。また時間と共に皮下出血斑が上腕部から前胸部にかけて出現します。外転型骨折の場合は肩関節の前方脱臼と同じような外観となるため、注意が必要となります。さらに患部の自発痛や運動制限が著明に見られ、出血が多い時には貧血の症状も見られます。

 処置は安静固定を行ったうえで経過観察をし、骨癒合(新しい骨が出来るまで)に4~6週間を必要としますが、高齢者の方の場合は長期間の固定による関節拘縮(関節が固まってしまうこと)が起こりやすいこともあり、拘縮を防ぐために関節の動きを制限しながら早期より運動療法を開始する必要があります。経過に合わせてアイロン体操などの運動を少しずつ行う事が重要です。

 大きな骨になりますが発生する頻度は少なくありません。上記のような症状が確認出来た際には速かに専門医をお尋ねください。

高齢者骨折の特徴について

 今回は高齢者の骨折について解説します。

 高齢者の方の骨折は比較的発生が多く、その中でも上腕骨外科頸骨折、橈骨遠位端部骨折、大腿骨頸部骨折、胸腰椎椎体圧迫骨折などが多くみられます。
※それぞれの骨折については後ほどこちらの解説にて詳しく解説していこうと思います。

 いずれの骨折も損傷する骨の場所は、骨内部にある海綿質(骨の構造の中で沢山の空洞がみられる層)という組織部分になり、骨粗鬆症などが原因で骨が脆弱化している場合に発生が多いとされています。転倒などで局部に外力を受けた際は骨折を引き起こしやすく、さらに筋力低下やバランス感覚の低下などにより、体の反応が鈍くなることで転倒の機会が増すことも原因の一つになります。

 また、高齢者の方は骨折後の不十分なリハビリによって関節拘縮(関節が固まってしまうこと)などの機能障害も起こしやすくなりますので、関節を動かしてもよい場合は積極的に運動をしていかなければなりません。そのため患者さん自身にも日常生活内でリハビリの協力も治療をしていく上で必要不可欠となります。

 次回は各骨折について詳しくお話できればと思います。

下腿部のストレッチ(前脛骨筋、下腿三頭筋)

 今回は下腿部のストレッチについてです。

 下腿部は前面部に前脛骨筋、後面に下腿三頭筋という筋肉が存在します。(他にも細かな筋肉も存在しますが今回はこの二つの筋肉に焦点を当てていきます。)この二つの筋肉は歩行時や運動をする際に必ず使う筋肉なので柔軟性があった方が良い筋肉です。
 下腿三頭筋はアキレス腱へとつながる筋肉なので運動をする前にはしっかりストレッチしましょう。これを怠ってしまうとアキレス腱断裂や下腿三頭筋の肉離れなどを起こしてしまう可能性があります。またふくらはぎを攣ってしまった時(こむらかえり)なども自分で簡単に対処することができます!

 ストレッチ方法はいろいろありますが、今回は一番基本的なストレッチを紹介します。ストレッチを継続的に行うことで怪我の予防、症状の改善につながると思います。
では、やってみましょう。

 まず下腿部前面の前脛骨筋のストレッチからです。

下腿部のストレッチ写真1

 床のフラットな場所に正座をして座り、両膝を浮かすように後方に体重を移動して行きます。ストレッチされるのが分かるところまで上半身を後ろに倒していきます。
 その際に息を止めないように呼吸をしながら20~30秒ほどゆっくり行います。下腿部前面の筋肉が伸びている(ストレッチされている)のを感じながら行って下さい。これを左右行います。

 次は下腿部後面の下腿三頭筋のストレッチです。

下腿部のストレッチ写真2

 壁など頑丈な場所を使って行います。壁の方に真っ直ぐに向いて立ち、足を前後に大きく開いて両手で壁をグッと前に押すよう力を入れます。この時後ろの足の踵を上げないようにしっかり床に着けておきます。こうすることで下腿部(ふくらはぎ)をストレッチすることができます。
 そして息を止めないように20~30秒ほどゆっくり伸ばして下腿部後面の筋肉が伸びている(ストレッチされている)のを感じながら行います。これを左右行います。

 簡単に一人でできると思いますが、その中でも注意することがあります。
*ゆっくり深く呼吸をしながら行う。
*20~30秒少し長めに行う。
*一日3~5セット行う。
*痛みが出たら無理をしないで行うのを止める。

 上記のことに注意しながら行うといいと思います。
 ちょっとの時間で簡単に自分の体のケアが出来るので是非行ってみてください。

骨折の合併症・深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症

 今回は深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症について解説します。

 まず血栓と塞栓の違いですが、血栓というのは血管内で血液が何らかの原因で固まってしまったものをいい、その血栓が血管内で詰まり血流を低下させたものを塞栓と言います。
 つまり、深部静脈血栓症とは体内の深部静脈(特に下肢)で生じた血栓により疼痛や腫脹、運動痛が出現し、この血栓が血流に乗って肺の血管を塞栓したものを肺血栓塞栓症と言います。皆さんが良く耳にするエコノミークラス症候群のことです。

 では、なぜ骨折によってこれらの症状が発生するのか。それは『長時間同じ体勢で動かさない』ということが関係してきます。
 血液を全身に送るのは心臓ですが、下肢の末梢部から血液を心臓に送り返すのはふくらはぎの筋肉が行っています。よって下肢の骨折でギプス固定され、ふくらはぎの筋肉を動かさなくなることによって血行が悪くなり、そこで血液が凝固することにより血栓が発生するということです。

 予防法としては、足首を上下に動かすなどふくらはぎの筋肉を動かす運動や弾性ストッキングで圧迫するなどがあります。下肢の骨折の治療ではこのようなことを頭に入れて、しっかりと合併症の予防対策をしていく必要があると思います。

骨の役割

 普段、怪我をしない限り意識することの少ない骨ですが、骨にもあまり認知されていない作用がありますので、今回は骨の役割について解説します。

 骨の機能は大きく分けても5つの作用があります。

1つ目、最も基本的な役割は、
 ・骨格を作る事と身体を支える事です。
住宅にも骨組みがあるように、身体も骨格に支えられています。
骨が身体の柱になりますので骨が無ければ身体を同じ姿勢に保つ事もできません。

2つ目は、
 ・筋肉の作用による関節運動があります。
骨と骨とのつなぎ目が関節となります。
関節のほとんどが筋肉によって動かされていて、その関節を支点に運動が起こっていきます。

3つ目に、
 ・内臓などの保護があります。
頭の骨は脳を守ります。
肋骨は心臓や肺などを守り、骨盤は腸や子宮などを守っています。
身体のやわらかな機関を保護してくれています。

ここからがあまり認知されていない役割になるかと思いますが、
4つ目は、
 ・電解質の貯蔵があります。
おもにカルシウム、リンなどを貯蔵しています。
電解質の倉庫になっていて血液中の電解質の濃度が低下すると、貯蔵されている電解質を放出します。

5つ目は、
 ・骨髄による造血作用です。
血液は骨の中にある骨髄(赤色骨髄)によって作られています。
日々、新しい血液を骨が作っているのです。
普段、何気なく使っている身体ですが、様々な機能のもとに我々は日常生活を送っています。身体の機能を改めて考えてみるのも面白いかもしれませんね。

筋肉、骨格、身体についてなど、分からない事がありましたら、お気軽にご相談ください。