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肩の痛み Ⅲ ~ インピンジメント症候群 ~

今回は、インピンジメント症候群について説明します。インピンジメントとは、「衝突」という意味で、その名のとおり肩峰(肩の突出した部分)と上腕骨との間にある筋、腱、軟部組織が上肢(腕)の繰り返しの使用などにより発症するものです。肩周囲の解剖は非常に複雑で、筋肉によっては狭い間を通って上腕骨に付着しています。その特に狭い部分が肩峰と上腕骨との間で、そこで損傷し易い筋が棘上筋という筋です。その他、軟部組織では滑液包という衝突の際クッションの役をしているものが損傷し易いとされています。これらを損傷した時に出てくる特徴的な症状が、Painful arc sign(ペインフルアークサイン)と言い上肢を上げ下げする途中に出る痛みです。これは、上げ下げする最中に損傷・炎症を起こした部分が肩峰と上腕骨の間に挟まれて起こる痛みです。痛いままで放っておくと、だんだん動かさなくなり、動かさないままでいると後々肩関節周囲炎(いわゆる四十肩、五十肩)に移行してくることもあります。そうなると、治るまでに時間がかかってしまいます。痛み、違和感などが生じたら早いうちに対処しておくことをお薦めします。

肩の痛み Ⅱ ~ 四十肩、五十肩を中心に ~

肩関節は他の関節に比べて拡い運動範囲を持っているのが特徴で、それを司っているのが筋肉や靭帯です。特に肩関節には肩腱板といってこの関節にしかない独特の筋群があり、この肩腱板こそが肩関節障害の大きなキーワードになります。肩関節の痛みと一口に言っても多種多様ですので何回かに分けて解説したいと思います。今回はいわゆる四十肩、五十肩を取り上げます。この病名は皆さんもよく耳にする病名だと思いますが特に50歳前後の男性が発症し易く、関節や筋肉の退行性変性を原因とする疾患です。また、骨折後や重量物を運搬したり手仕事の過多で肩関節がダメージを受けた後の後遺症としても発症します。髪をとかしたり手を方に回したりすることが困難になり夜間痛も特徴です。処置としましてはその患者さんの状態によって変わりますが、積極的な関節運動を行い急性期を過ぎたものは冷やさずに温めます。いずれにしましてもこの疾患は快復まで永い時間が掛かりますので、うまく付き合うことが大切です。

肩の痛み Ⅰ ~ スポーツ障害による肩痛 ~

スポーツ障害による肩の痛みはいろいろな競技に見られますが、特に野球やバレーボール、テニスや、水泳等によく診られます。原因はいろいろ考えられますが一番関連しているのが前回もお話ししました肩腱板です。少し専門的な話で恐縮ですが肩の筋肉はインナーマッスルとアウターマッスルに分類され、それぞれが自分の仕事をして肩の運動を円滑に行っています。即ち、インナーマッスルは求心性の肩運動を司り、アウターマッスルは遠心性の肩運動を行いその運動時の力関係が不均衡になると障害として痛みが発症してきます。肩腱板はインナーマッスルで、三角筋等、体の外についていて目立つ筋肉がアウターマッスルです。また肩腱板は単純に肩の使いすぎにより磨耗したり、イピージメントといって肩腱板が運動により骨に挟まって痛みが出てくるものもあります。この他にもいろいろな原因がありますが、スポーツをしていて肩に違和感を感じたらあまり無理せず早めに切り上げることが大切です。

膝の痛み Ⅲ

膝の痛み最終回、今回は高齢者の膝の痛みについて説明します。体の運動器(筋、骨、靭帯など)は加齢とともに徐々に変性を起こして強さを失っていきます。膝関節もこの影響を大きく受ける関節の一つです。勿論、外傷による痛みもありますが高齢者の膝痛の主な原因としては関節を構成する骨が弱くなり(特に内側の骨が少しずつ減って変形を起します)半月も弱体化したり、さらに大腿四等筋や大腿二頭筋といって太ももの前後の筋肉やふくらはぎの筋力が弱くなる為に膝に掛かる負担が大きくなって痛みが出てくる・・、このパターンが一番多いとされます。症状は腫れや歩行痛、階段昇降時の傷みや関節水腫(水が溜まること)などです。左右の膝を比べて骨が内側に膨らんで見えたり、膝が大きくなっていたら要注意です。予防には筋力の強化が一番です。高齢になっても普段から脚の筋肉を鍛えて、強い脚を維持することが大切です。

膝の痛み Ⅱ ~ 青壮年期の痛みについて ~

前回は少年期の痛みを説明しましたが、今回は青壮年期の痛みについて説明します。膝は運動時や日常生活時に体にかかるショックを受け止める役目をしています。これらのショックを半月という軟骨が吸収したり関節の安定性には靭帯が大きく関与しています。特にスキーや野球、サッカー、バスケット等激しいスポーツで膝に理不尽なストレスが掛かったときに負傷し、どういう角度からどの位のストレスが掛かったかによってケガの内容が変わってきます。症状は程度にもよりますが強い痛みと腫れが特徴で、膝が不安定になりぐらついて歩けなかったり、ロッキングといって痛みと共に膝がある角度で止まってしまい屈伸ができなくなったりすることもあります。また関節血腫といって膝の関節の中に血が溜まることもあります。靭帯の付着部に炎症を持ち痛みが出てくることもあります。その他関節面の骨折や珍しいところでは脱臼もあり、「お皿」という呼称でなじみ深い膝蓋骨も骨折や脱臼があります。特に青壮年期に膝関節を負傷した場合はしっかりとした対応をしておかないといつまでも愁訴に悩まされることになりますので注意してください。

膝の痛み Ⅱ ~ 青壮年期の痛みについて ~

膝関節は人の関節の痛みの中でも外傷や障害が最も多く見られる関節の一つです。そしてその痛みの原因や特徴から少年期、青壮年期、老年期に大別されさらにその中で外傷障害、器質的な変化による痛み等に分類されますので、今回はスペースの関係上何回かに分けて「膝の痛み」を説明をしていきたいと思います。少年期の特徴は何といっても骨や筋肉の運動器が発達途上であるということです。この時期の痛みの原因がこれに起因するかもしくは何らかの係わりがあります。特に小学校高学年から中学生にかけて運動器の発達と運動量のバランスがとれないために起因する痛みが多く見られます。これらはバスケットボールやバレーボールの選手や陸上競技の選手などによく見られ、腱やその付着部に炎症を持って痛みが出てくるもの、またこの時期関節周辺の骨が未熟なためその部分にストレスがかかって出てくる痛みもあります。膝の膝蓋骨(お皿)のすぐ下の部分や脛骨粗面といってすねの骨の一番上の部分に痛みが出たり膝全体に痛みが出る場合もあります。いずれも少年期の代表的な膝の痛みです。

成長期の痛みとケガ Ⅳ ~ 肘の痛み ~

以前にも肘について説明しましたが、今回はさらに細かく成長期の肘痛について説明します。肘の痛みには外側、内側、後側などの痛みがありますが、今回はそのなかで外側の痛みで、野球などの投げる動作をする子供(特に10歳から15歳)に起こる「離断性骨軟骨炎」通称外側野球肘という成長期特有の障害について説明します。子供の関節には成長軟骨がありますがこの部分は非常にデリケートで筋肉も未成熟のため、繰り返す投球動作運動によりストレスを吸収できなくなり関節部に血行障害や微小損傷を起こし、部分的に軟骨が壊死を起こして関節から遊離してしまいます。この状態が「離断性骨軟骨炎」で遊離した骨片を「関節鼠」といいます。骨片が肘関節の隙間に入り込んでしまうと激痛や肘の曲げ伸ばしがスムーズに出来なくなってしまいます。肘の障害は内側より外側の痛みがより重症になるケースが多いといわれるのはこのケガがあるからです。治療は初期段階であれば理学療法で保存的に快復しますが痛みが強くなったり時間が経過したものについては手術療法を行うことになります。予防としては肘の痛みを訴えていたら早期に専門の先生に診てもらう事です。また、原因が投球過多ですので痛みがある場合は早期に投球動作を中止させることです。指導者や親御さん等周囲の方々に子供の体を十分理解していただき将来ある子供たちをより大きな視点にたって決して無理のない指導をしていただきたいと思います。

成長期の痛みとケガ Ⅲ

成長期のケガとして三つ目にシンスプリントを説明します。シンスプリントとは別名「脛骨疲労性骨膜炎」ともいわれ、成長期に運動環境が急変する中学生から高校生(13~16歳)に多発すると言われています。原因はやはりオーバーユース(運動過多、使い過ぎ)によりふくらはぎにあるヒラメ筋という筋肉の付着部にストレスがかかりその結果骨膜炎を生じ、脛骨(すねの骨)の中央からやや下部内側に痛みを感じます。運動後などにこの場所に痛みを感じてきたらこのケガを疑います。まず治療法としては電気療法等理学療法をはじめ、アイスマッサージやストレッチまた、足部のアーチサポートやヒールパットの使用等も効果がありますが、大事なことはまず運動を中止させ休養をとることです。痛みがなくなるとすぐに運動を再会する人が多いと思いますが、運動再開の注意点として

  • 急激に練習量を増やさない
  • 筋力強化トレーニングを行う
  • 運動後には必ずストレッチ、アイスマッサージ等で筋疲労を除去する

これらのことを心がけてください。このケガが悪化すると疲労骨折に移行することもありますので痛みを感じたらなるべく早期に診察、治療を受けましょう。

成長期の痛みとケガ Ⅱ

今回は子供の股関節の痛みについて説明します。 3歳~12歳くらいの子供に多く特に6歳~10歳の年代の男子に多発する痛みにぺルテス病があります。 これは大腿骨頭(大腿骨が股関節を形成している一番上の部分)への血流が悪くなって大腿骨頭が壊死を起こす病気で、なぜ血流が絶えてしまうのかはまだ完全には解明されていません。この病気になると元気だった子供が足を引きずるようになったり股関節や太もも、膝関節の痛みも訴えその後徐々に股関節の開排運動や外に開く外転運動が出来なくなりやがて変形性の股関節症を起こします。治療は装具を装着して治す保存療法と手術療法がありますがそれぞれ発症年齢によって予後が変わってきますので普段からの親御さんの観察力も必要です。

成長期の痛みとケガ Ⅰ

成長途中の10~15歳のスポーツ選手に多く見られるのが膝部前面の痛みです。この時期は骨や筋肉あるいは腱等の運動器がまだ未成熟のため過度のトレーニングやいわゆる使いすぎ(overuse)によってそれらの付着部でさまざまな炎症を起こします。その中で代表的なのがオスグット病です。これは膝の前面部、脛骨(すね)の上部に付着している膝蓋靭帯がトレーニング過多や使いすぎにより部分的にストレスを受け痛みを誘発します。主訴は部位の圧痛、正座をしたときの痛み、ランニング時の痛みなどで、外見上も患部が膨隆して見えることもあります。また通常は片側発症ですが、あまり我慢をして運動を続けると左右両側に発症することもありますので注意が必要です。処置としてはまず休息、アイシング、ストレッチングなどですが、症状が強かったらなるべく早いうちに専門の先生に診ていただきましょう。また、このケガは特に快復後の復帰時期と運動量の設定が重要ですから、よく先生に相談をして指導を受けながら練習の再開をしてください。